ケーススタディ
「メールは関係ない」は要注意?メールだけ別サーバー構成のサイト移行で注意すべきポイント
CASE
Webとメールが別サーバー構成のときに起こりやすい移行トラブル
Webサイトとメールが別々のサーバーで運用されている構成は珍しくない。
しかし、サーバー移行時にこの構成を正しく把握していないと、メール送受信トラブルや業務停止につながる恐れがある。
「今回はWebサーバーだけ移行するから、メールは特に触らない予定です」
サーバー移行の相談でも、よくあるケースです。
実際、Webサイトとメールが別サーバーで運用されているケースは多く、一見すると影響はなさそうに見えます。
しかしこの構成こそ、DNSや設定の見落としによるトラブルが起こりやすいポイントでもあります。
Contents
メールだけ別サーバーとは?
まず、業務に携わっている人でなければ、サーバーが何なのか、何が行われる場所なのかなど、疑問がたくさん浮かぶことでしょう。
今回はそこまでの細かな説明は割愛しますが、様々な事業で複数のサーバーを利用している企業は多くあります。
それぞれのサーバーの用途や利用方法も異なりますが、今回はWebデータを管理しているサーバーと、メールを管理しているサーバーが別のものであるケースを想定します。
この構成では、
- Webサイト:Aサーバー
- メール:Bサーバー(Google Workspace / Microsoft 365 / 旧メールサーバーなど)
というように、役割ごとにサーバーを分けて運用していることになります。
DNS上では、
- Web:Aレコード
- メール:MXレコード
がそれぞれ別のサーバーを指している状態です。
なぜこの構成でトラブルが起きやすいのか
今回のようにWebとメールで別サーバーを利用している時のサーバー移管では、なぜトラブルが起きるのか原因を探ってみましょう。
「メールは関係ない」と思い込みやすい
Web移行=Webだけの話と考えてしまい、DNS全体を確認しないまま作業が進むことがあります。
DNS設定が複雑になりがち
MXレコード以外にも、SPF、DKIM、DMARCなど、メール関連のTXTレコードが複数存在することが多く、忘れられる場合や、複雑でわかりづらいケースも発生します。
過去の構成が分からない
過去の履歴が残っておらず、「なぜこの設定になっているのか」を誰も説明できないまま運用されているケースも少なくありません。
サーバー移行時に起こりやすいメールトラブル
では、実際に起こりやすいトラブルの内容を見ていきましょう。
| ✔ メールが送受信できなくなる | DNS切り替え時にMXレコードが消えたり、誤って上書きされるケース。 |
| ✔ 一部のメールだけ届かない | SPFやDKIMの設定不整合により、迷惑メール扱いされることがあります。 |
| ✔ フォームからの自動返信が届かない | Webサーバー変更により、送信元IPやSMTP設定が変わることが原因です。 |
移行前に必ず確認したいポイント
サーバー移行を行う前に、チェックをしておきたいポイントを確認します。
現在のメール構成を整理する
利用中のメールサービス、MXレコードの内容、SPF / DKIM / DMARC の有無を一覧化しておきます。
DNS設定を「触らない部分」として明確化する
メール関連のレコードは、変更対象外として明確に分けて管理します。
Web側のメール送信方式を確認しておく
メールの送信方法にはsendmailやSMTP認証などの方法があります。
どの方式で送信しているかを把握しておきます。
安全に移行するための進め方
実際にサーバー移行を行う際の進め方を整理しておきます。
1. DNS変更前に設定をバックアップ
現在のDNS設定を必ず控えます。
2. Web関連レコードのみを変更
AレコードやCNAMEなど、Webに関係する部分だけを慎重に切り替えます。
3. 移行後すぐにメールテスト
送信、受信テストだけでなく、Webサイトにフォームがある場合にはフォーム送信が問題なく行えるかも必ず確認します。
4. SPFの送信元追加を検討
新サーバーからメールを送信する場合、SPFにIP追加が必要なことがあります。
トラブルを防ぐためのポイント
不要な問題を発生されないためのポイントをまとめました。
| ● メールの設定を把握する | 変更はないので触らないのではなく、構成の理解は必須となります。 |
| ● DNS作業は分離して考える | Webとメールを一緒に変更しないことで、リスクを下げられます。 |
| ● 移行後しばらくはメール監視 | ユーザーや社内からの「届かない」報告にすぐ対応できる体制を整えます。 |
まとめ
メールだけ別サーバー構成のサイトでは、
- DNS全体の把握
- メール設定の保全
- Web送信方式の確認
がサーバー移行成功のポイントになります。
「メールは関係ない」と切り離さず、影響範囲を正しく理解した上で移行を進めることが重要です。
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