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複数ドメインやサブドメインを使うサイトの移行で注意すべきポイントと手順

CASE

マルチドメイン・サブドメイン移行で起こりやすい設定ミスと正しい引き継ぎ方法

複数のドメインやサブドメインを利用しているサイトの移行は、単一ドメインよりも設定項目が多く、トラブルが起きやすい作業である。

企業サイトやサービスサイトのドメインには、次のようなケースがあります。

  • メインドメイン(example.com)
  • サブドメイン(blog.example.com / shop.example.com)
  • マルチドメイン(example.jp、example.net など複数利用)

サーバー移行の際、これらが正しく設定されていないと、「blogだけ表示されない」「shopだけSSLエラー」「特定のURLだけ404」
といった部分的な不具合が発生しやすいのが特徴です。

この記事では、マルチドメイン/サブドメイン環境を安全に移行するための注意点と実務手順をまとめました。

サブドメイン/マルチドメイン移行で起こりやすいトラブル

サブドメインやマルチドメインを利用している場合、Webサイトおよびドメイン移管を行う際によく見られるトラブルをいくつかあげてみましょう。

1. DNS設定の引き継ぎ漏れ

サブドメインごとに Aレコード、CNAME、TXT が必要となる場合があります。
設定漏れがあると、該当のサブドメインだけ404 となってしまうケースがありますので注意が必要です。

2. SSL証明書がサブドメインに対応していない

SSL証明書には種類があり、

  • 単一ドメイン証明書(example.comのみ)
  • ワイルドカード(*.example.com対応)

などがあります。
移行後に「サブドメインだけ“安全ではありません”が出る」という現象はこの証明書設定が原因です。

3. CMSのURL設定がドメイン・パス変更に追従していない

WordPressなどでは、固定ページや画像パスに絶対URLが含まれることがあり、サブドメイン変更時にリンク切れが発生しやすい部分です。

4. メール(MX)設定が複数ドメインで異なる

マルチドメインではドメインごとにメール設定が違うことがあり、MXレコードの設定漏れでメール不達が発生することもあります。

 

その他、予期せぬところでエラーが生じることなどもあるので、サブドメイン、マルチドメインを使用している場合は、必ず事前に設定を確認しておくことをおすすめします。

必要な移行手順

1. 現行環境のドメイン一覧を作成する

まずは、すべてのドメイン/サブドメインを洗い出しし、次の点について一覧化しておきましょう。

  • 役割
  • 使用サービス
  • DNSレコード

2. DNSレコードをすべて控える

移行前に旧環境のDNS設定を、可能であれば次のものをすべて控えておきます。
サブドメインが多いほど後ほど困ることが多いので、後から役に立つことがあります。

  • A
  • CNAME
  • MX
  • TXT(SPF/DKIM/各種認証)
  • SRV(あれば)

3. SSL証明書の種類と適用範囲を確認する

サブドメインを複数運用している場合は、「ワイルドカード証明書」か「SAN証明書(複数ドメイン対応)」のどちらかが必要です。
移行の段階でSSLの対象範囲を把握しないまま切り替えると、部分的なSSLエラーが出やすくなります。

4. 新サーバーに全ドメイン/サブドメインを設定して動作確認する

サイトの各ページ、サブドメインごとのコンテンツや画像の読み込み、API連携箇所、フォーム、CMS等、見た目の崩れや表示の確認だけでなく、プログラムが機能しているかどうかまですべて確認をしておきます。

CMSやWebアプリを使用している場合はとくに重要。
サブドメインのひとつでも設定ミスがあると丸ごと落ちることもあるため、慎重に確認を進めましょう。

5. DNS切り替えを時間差で行う

マルチドメインの場合、すべてを同時に切り替えるよりもドメイン単位・サブドメイン単位で順番に切り替える方がトラブルを切り分けやすいです。

例:
1)example.com(メイン)
2)blog.example.com
3)shop.example.com
4)他ドメイン…

6. 旧サーバーは3日程度残す

どのドメイン/サブドメインが旧側にアクセスされているか判断が難しいため、最低でも72時間は旧サーバー保持をしておきましょう。
混在アクセス期間中にメールやフォームが旧側に届くこともあるため、注意が必要です。

トラブルを防ぐためのポイント

「サブドメイン単位」に動作をチェックする

サブドメインはそれぞれが独立した小さなサイト。
1つ動いても、別の1つが動かないことはよくあります。

CMSの場合はURLの置き換え処理も必須

例えばWordPressの場合、画像の絶対パス、内部リンク、特殊なプラグインのURLなどが変わらずリンク切れになることがあります。
「Search Replace」などのツールで総置き換えするのが安全です。

DNS切り替え前にTTL(Time To Live)を短くする

これで反映速度が大幅に上がり、トラブルがあっても戻しやすくなります。

まとめ:複数ドメインの移行は“棚卸し・可視化”が鍵

マルチドメイン/サブドメインを使ったサイト構成の移行は、設定項目が多く、トラブルが起きやすい作業です。
次の点について順番にしっかりと準備を行うことで不要な問題を避けることが可能となります。

  • 事前の棚卸し
  • DNS設定の完全控え
  • SSL対象範囲の確認
  • サブドメイン単位での詳細テスト

複数の入り口を持つサイトだからこそ、慎重に、かつ計画的に移行作業を行いましょう。

 


使用するサーバーや契約プランなどにより、手順や必要な作業は異なります。本記事では一般的な内容をご紹介しておりますのでご了承くださいませ。
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